朝6:00過ぎにインターホンが鳴り、モニターを見ると
知らないおばあちゃんが立っていました。
モニター越しに「家じゃないですよ。間違えてませんか?」
と言ったものの、帰る気配は全くなし。
急遽、家まで送ることになったのですがその道中に
おばあちゃんがくれた1万円。
警察に届けたのですが、処理方法の仕方で時効になっても
お金をもらえたり、もらえなかったりするので、手続きの
違いを紹介します。
認知症の人にお金をあげると言われたら?
朝6時過ぎに始まった珍事件ですが、
おばあちゃんと話をしているとつじつまが合わない所があり、
もしかして認知症?と疑ってみました。
ご主人の電話番号が言えたので、電話しましたが出られない為、
心配なので「自宅まで送ろうか?お家分かる?」と一緒に歩いていると、
近くのスーパーが開店前なのに「開いている」と言って入ろうとしたり、
小銭入れからお金をだして、自販機でお茶を買いに行ったものの、
買わずに戻って来たり・・・でやっぱり?と警察に電話しました。
警察を待っている間に、今度は「親切にしてくれたから」と突然1万円を
出してくる。
「そんな事しなくても大丈夫よ」何度断っても「いいから、とっといて」
と言って受け取ってくれない。
ここで怒らせても仕方ないから、警察が来てから、事情を説明して、
やんわり返してもらおうと思ったが、警察がなかなか来ない。
到着する前に「歩いて帰るから大丈夫」と言って歩きだした。
心配なので、後ろからついて行ったが、警察が到着する前にオートロックのマンションに
帰ってしまう、「え~!!!」な結末になってしまいました。
名前等の個人情報は、警察が聞くと思っていたので、全く聞いておらず、困ったのは、
この1万円の処理。
知らないおばあちゃんから突然もらった1万円どうするべきか?
個人的にもらったお金なので、そのままもらってもよかったのでしょうが、
知らない人だし、認知症の疑いもあったのでもらうのも気が引けました。
もう一度ご主人に電話してみたものの出ず、警察も名前や住所が分からないと
返せないそうです。
そこで落し物処理する事になりました。
警察の落とし物処理の仕方は?
通常、お金を拾ったら自分で警察に届けるのですが、今回はその場に警察が
いる場合です。
警察の人も上司に電話で指示を仰いでいたので、かなり稀なケースだと思います。
この場合の処理方法が二つあります。
①その場の警察官に1万円を渡して、落し物処理をしてもらう。
この場合、警察がその場に落ちていた現金1万円を拾った処理になり、
もしおばあちゃんが取りに行かなかった場合、自分がもらえるチャンスは
ありません。
②後で近くの交番に自分で届ける。
施設の外で拾った落し物は、7日以内に警察に届けなくてはいけません。
自分で届けると落とした人(今回はお金をくれたおばあちゃん)が
取りに来なかった場合、もらう事が出来ます。
おばあちゃんの手元に戻るのが一番ですが、もし取りに来ない場合は、
頂いてもいいかなぁと思い、自分で交番に届ける選択をしました。
ここで気になったのが、もしご主人から連絡が来た場合です。
手元に現金がないので返せない場合、
「お金は警察に届けましたから、取りに行かれて下さい」って
言えばいいんですって。一安心。
自宅に帰って、10分後に警察から電話があり、「今回は稀なケースなので、
こちらから落し物処理の用紙を作成して自宅に持ってきます。」と言われました。
何て粋な計らい♪
ここで確認された事が4つあります。
①落し物の保管等に要した費用を請求しますか?
今回は、保管も何もしてないので、放棄しました。
②おばあちゃんが取りに来た場合、お礼(報労金)を受けますか?
通常の落し物の場合、価格の5%~20%以下に相当する額を
落とし主からお礼として受け取る権利があります。
今回は、おばあちゃんに返したいので放棄しました。
お礼を受け取る権利や落し物を受け取る権利を放棄してない場合のみ、
警察から「落とし主がみつかりました」と連絡が入ります。
お礼を受け取る権利を放棄してない場合は、落とし主からも連絡が入るので、
お礼の支払い方法を双方で話し合う事になります。
もちろん、すべての権利を放棄する事も出来ます。
③おばあちゃんが取りに来た時、あなたの住所氏名を伝えていいですか?
近所の方で別に悪い印象のおばあちゃんではなかったので、同意しました。
のちのち考えると、テレビで落し物のお礼でトラブルになったのを思い出して
個人情報は極力告知しない方がよかったかなぁと思いました。
拾得物件預り書という書類をもらいました。
これには、受理日時、場所、私の住所、氏名、電話番号、受理番号、
交番と警察官の名前、拾得者の物件引き取り期間が書いてあります。
お金の落し物時効は?
昔は、落し物の時効は6ヶ月となっていましたが、平成19年の法改正で
3ヶ月と短くなっています。
また、以前は落とし主が見つからなかった場合、葉書が届いていたようですが、
現在はそれもなくなっています。
持ち主がみつからなくても、警察から電話がある事はありません。
時効後の物件引取り期間は、警察からもらう拾得物預り証に記載してあります。
受け取れる期間は、2ヶ月ですので、それを過ぎると受け取る権利がなくなり、
県のものになります。
●受け取り方法は?
①受け取れる期間になったら、「落とし主が見つかったか」警察に電話で
確認しましょう。
確認する時は、預り証にある受理番号を伝えてください。
確認する場所は、届けた交番ではなく、警察署の会計課になります。
管轄の警察署は、受領確認の欄や受理番号下に書いてあります。
拾得物件預り書の中に警察署の住所や会計課の電話番号は書いてないので、
自分で調べる必要があります。
②受け取れる時間を確認しましょう。
受け取れる時間は、「月曜日から金曜日の9時から17時45分まで」と
仕事をしている人にはかなり厳しいです。
「土曜日、日曜日、休日、12月29日から1月3日までは休み」です。
③受け取りに必要な物
・拾得物件預り書
受領確認で日付、住所、氏名、電話番号、押印をする箇所があります。
・印鑑
・身分証明書
まとめ
1.今回は、認知症まがいの人から、突然お金をもらう稀なケースでしたが、
警察で落し物として処理する場合、費用を請求する権利、
お礼(報労金)を請求する権利、所有権を取得する権利、をどうするか
選ぶ事ができます。
2.落とした人が見つかった場合、あなたの個人情報(住所、氏名、電話番号)を
告知に同意するかどうかも決めることが出来ます。
3.落し物の時効は、3ヶ月です。
預り書に記載されている引取期間になったら、警察署の会計課に持ち主が
見つかったか電話で確認しましょう。
預り書の受理番号が必要です。
4.取りに行く場合は、拾得物件預り書、印鑑、身分証明書が必要です。
受け取り時間が限られているので、確認しましょう。